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2003/08/06

デッドエンドの思い出

よしもとばなな著
文芸春秋

いつものよしものばななの色がちゃんと出ている。
人は、どんな最悪の状況からでも、再生できるという過程が切ないほど純粋に表現されていると思う。
5つの短編からなるが、特に好きなのはタイトルにもなっている“デッドエンドの思い出”だ。デッドエンドとは袋小路のことだと辞書を引いて知った。その中で登場人物の西山君が、幸せを感じるときについてこう言っている。“俺は自由な感じかな。これからどこに行っても何をしてもいいけど、冴えない気持ちじゃないとき。そういうとき、おなかの底から力がわいてきて、どこにでも行けるような気がする。実際どこに行くかじゃなくて、その力のわいてくる感じが幸せ。” あぁ、これって私と同じだと思った。

出先で一気に読んで夕方帰宅すると、いつもの場所に祖母がいて、父が親戚のおじさんと囲碁をしていて、母が夕食の支度をしていた。よしもとばななの小説を読んだあとは、いつも家族が恋しくなるし、あたりまえのようにいつもある光景が、なぜかとてもいとしく、大切なもののように思えてくる。

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