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2004/05/15

non title

江國香織の「日のあたる白い壁」という本を読んだ。

作家の好きな絵画についてのエッセイで、一通り読んだあと、改めて好みが似ているなぁと思ってしまう。
たとえば、私はゴッホはあまり好きではないのだが、何枚かの絵は好きで、この本に紹介されているゴッホの1枚はその何枚かの1枚だ。
タイトルは「夜のカフェテラス」だ。私はゴッホの夜を描く青い色が好きだ。だから「星月夜」も好き。
夜を描いた絵というのは面白いと思う。ふつう画家は光(太陽の光)を描きたいと思うのではないか。もちろん夜も明かりがあるけれど、闇を描くときその画家の個性が強くでるのではないかと思う。
ヘルシンキで以前見た画家の名前は忘れたが、やはり夜の風景を描いた絵が強く印象に残っている。それは冬の夜の野外で人々がアイススケートに興じる風景で、周りの建物や木々、そしてアイスリンクを遠くから見ているという構図。あの絵の夜空はゴッホの青とは違い、黒で表されていて、なんとなく可愛らしい絵であったと思う。

それから、ユトリロ。
私はユトリロその人についてはあまりよく知らない。ただ、やはり、美術館に展示される絵を眺めていて目に留まるのはユトリロの絵だ。目が留まってから画家の名前に目をやると、かならずユトリロなのだ。だいいち、ユトリロという名前の響きがいい。彼の絵はその多くが巴里の街並みなのだが、もし多くの画家の絵画のなかから1枚持って帰っていいと言われたら、私は間違いなくユトリロの絵を選ぶだろう。品がいいし、落ち着く。建物が存在するということはそこに暮らす人がいる。建物の中までは見えないけれど、そこには確実に生活空間があることを思わせる。本の最後の部分に、このなかに採り上げられた画家のプロフィールがある。それによればユトリロは1883年私生児としてパリに生まれ、青年期にはアルコール中毒で入退院を繰り返していたそうだ。
正規の絵画教育は受けていないという。もっとたくさんのユトリロの画集を見てみたい。画集が欲しくなってしまった。

下の絵がゴッホの「夜のカフェテラス」

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