« non title | トップページ | non title »

2004/08/25

その名にちなんで(The Namesake)

ジュンパ・ラヒリ著
小川高義 訳

とうとう読み終えてしまった。もっとずっとずっと読み続けていたかったと思える作品だ。
親子二世代に渡る物語。故郷カルカッタを思いならが新天地アメリカに渡る夫婦の人生と、アメリカで生まれ成長する息子の人生。長編のなかにそれらが絶妙に絡まり合っている。親はアメリカに渡ってからも、思考はインドで培ったそれを変えることはできない。息子はスマートなアメリカ式の思考回路に慣れていて、親のスマートには程遠い考え方に苛ついてしまうのだが、時が経って特に父親の死を境に気持ちが変化する。「苛立ち」が「尊重」という形に変わっていったのではないかと思う。

また、母親の人生がひとつのモチーフになっていることに気づかされる。夫なしでは何もできなかった女が、夫の死後たくましくなる。その過程がうまく描かれていて感心せずにはいられない。

小説の中の情景が筆者の繊細な描写によって、目の前で見ていると思えるほどである。それぞれの描写がやわらかく描かれていて馴染む。

この作家については、実は秘密にしておきたいと思うほどである。

« non title | トップページ | non title »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« non title | トップページ | non title »

twitter

  • twitter
無料ブログはココログ