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2004/10/04

外套

ゴーゴリ著
平井肇 訳
岩波文庫

あまり期待せず読んだところ、意外にも良い内容だった。
ペテルブルグに住むさえない主人公が外套を新調することに多大な勢力を注ぐことがなんとも愉快に描かれている。その反面、結末があまりにも衝撃的だが、悲壮感は残らない。主人公アカーキエウィッチが外套を作るために、切り詰めてお金を貯めるところは、物を買うための努力の原点を見たような気がする。それに、外套の布地やパーツを買い求める場面など、高価なものを買うときのこれというものを選ぶ楽しさに共感できる。愛着をもって物を使おうと思い起こさせてくれる。そして、誠実につつましく生きる主人公が不運によって死んでしまうところは、現代社会にも形を変えて似たような現象を見ているような気もして、いろんなことを考えさせられる一冊である。

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