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2005/02/27

対岸の彼女

角田光代 著
文藝春秋

この小説の要素の多くが自分と共通するようだった。ただ、「いじめ」については自分自身、それに周囲にもまったくと言っていいほどなかったので、その部分だけは想像の世界である。

最後のところで、ナナコが葵にあてた手紙を小夜子が偶然読んでしまう場面がある。その裏側にこの小説が伝えたいすべてがあるような気がしている。この手紙を読む間、泣けて泣けて仕方がなかった。20年近く前に書かれたその手紙は他愛もないものだけど、揺るがしようのない友情が存在したことを間違いなく伝えている。

大人になると、利害ばかりが先に立って、学生時代に普通に存在した純粋な友情って成立しにくいかもしれない。けれど、本当は自分次第なのかもしれない。年齢は関係なく、人の言うことに惑わされることなく、自分の目で心で人を見て選んでいく、そういう毅然とした態度で行くこと、それが大切である。

この一冊は、一言では言い尽くせない感情が湧き上がってくる感覚がある。それだけ、深いものを伝えているのだと思う。

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