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2005/12/30

Paris 番外編

辻仁成の著書「いつか一緒にパリに行こう」のなかに「ビズの肌触り」という章がある。フランス人の習慣 bisous(ビズ)について触れた内容で、ビズというのは、お互いの頬と頬をくっつけて行う挨拶で親しい間柄で交わされることなどと説明されている。握手より身近でキスより軽いものなのだとか。

そして、私は、この夏の旅行中、とても自然なビズを見かけた。セーヌを運行するバトービュスで、夕刻のセーヌを周回していたときに。
バトービュスには、運転手と、乗客の乗り降りの際にチケットを確認したり、岸にロープを掛けたりする助手のような役割の人が乗船している。その助手はほかに、船が通りかかる名所についてマイクで案内したりする役目もある。確かフランス語と英語と・・・スペイン語だったかな?私が乗船したときは、20歳前後の清楚な美しい女性だった。そして日が沈みかけるころ、ある停留所で別の助手が乗り込み(引継ぎのためであろう)、そのあとしばらく助手2人体制で船は私たちを乗せて夕闇の川を進んだ。乗り込んで来たのは、やはり20歳すぎくらいの学生風の男性。2人のユニフォームの上着はおそろいで、セーラー服のようなデザイン。女の子のほうは紺のパンツ、男の子のほうは紺のショートパンツ。そして2人ともデッキシューズを履いていたと思う。船が一旦動き出し、名所の説明が終わると、しばらく彼らは何もすることがなく、2人は川面を渡ってくる風にあたりながら、楽しそうにおしゃべりしていた。
いまでも、彼らについて、こうして記憶が鮮明なのは、女の子のほうがある停留所で仕事を終え降りるときに、さりげなく2人が交わしたビズのせいだと思う。その行為はとても自然だった。それは私が見たパリのいろんな光景のなかで、一番パリらしい光景だったと思う。

■辻仁成は本書でこのように書いている。

人生は実は触れ合い合戦なのだ。

心と心。体と体。心と体。

どういうタイミングで相手の心に触れるか、が最も大事なこと。

そのタイミングを人は探して生きているのに違いないし、そのタイミングが全く摑めなくなる時、人は別れを経験する。

eiffel2 バトービュスから見たエッフェル塔

パリっ子のビズの光景と重なって思い出される1枚

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