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2006/10/07

とるにたらないものもの

江國香織 著

集英社文庫

著者が日々愛しく思うもの、好きなものなど簡潔な文章で書かれたエッセイ。ここのところ、毎晩眠る前のお楽しみの読み物となっていたが、あっというまに60編読み終えてしまった。なかに「石けん」というタイトルがあり、真っ先に読んだ。

「石けんは、この上なくシンプルで可憐なかたちをしている。」(本文より)

実は私も、石けんが好きだ。基本的には洗顔も入浴時にも石けんを愛用する。石けんの何が好きなのだろう、と考えると、やはりそのシンプルさ、なんだと思う。

外国に行くと、自宅へのお土産は決まって石けんだ。そんなにたくさんは買わない。大抵2~3個。旅から戻り、現実に引き戻されても、新しく石けんを下ろして、それをころころと手の中で回して泡立てているときは、ちょっとだけ旅のことを思い出したりする。買ってきた石けんは「とっておく」ことなんかしない。それらは、しばらくは洗面台の鏡のうしろの棚に仕舞われているけれど、順番を待って使われる。

ハート型のモスグリーンの石けんがあった。パリのサンジェルマン・デ・プレ教会脇の路地にあった雑貨屋で買ったもの。ハートの形にも惹かれたが、それよりも石けんに刻まれた模様とバラの香りが気に入って2個買った。シリア製とあった。毎朝、その石けんで洗顔すると、ちょっとした幸福感があった。勿論それはすでに消費されてしまったが、またいつかあの石けんを手に入れたいと思っている。

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