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2007/12/25

Raymond Carver

クリスマスの読み物に、レイモンド・カーヴァーの本「ささやかだけれど、役にたつこと」を選んでみた。本箱から引っ張りだしてきて。村上春樹はカーヴァーのファンで、この本の短編を訳している。前にも書いたことがあるが、私は村上春樹自身の作品は好んでは読まないのだが、彼が翻訳した本はとても好みだ。

この本のなかで今回、タイトルにもなっている「ささやかだけれど、役にたつこと(A small, good thing)」と「引越し(The boxes)」の2編を読んだ。

「ささやかだけれど・・・」は、ある母親が、子供の誕生日用にパン屋にケーキを注文した直後に、その子供が交通事故により意識不明になり、そして亡くなる。パン屋はそんなことも知らず、予定日にケーキを取りに来ないこの家に電話を何度かかけてくる。しかし両親はそれどころではなく、特に母親は、しまいにそのパン屋のことが疎ましく、憎しみを覚え、閉店後の店に行って文句を言う。しかし、そのパン屋の主人にも孤独なつらい人生があり、そこでそのことを知る夫婦。パン屋がパンを食べるよう薦める。不思議と空腹を覚え、パンを食べる母親。悲しみを癒す術は、結局のところ、人とのかかわりや語り合いから生まれることが、じんわりと伝わってくる。

「引越し」は、どうしようもない母親と、その母親のことがいつも心配で、やっかいと思いつつやっぱり気にかけて止まない息子の話。血の繋がりとは、とても切ないものなのだということを上手く仕上げている。(ちょっと説明が難しい)

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「ささやかだけれど、役にたつこと」

レイモンド・カーヴァー 著   村上春樹 訳

中央公論社

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