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2008/04/27

プラザでの10年間

「世界最高のホテル プラザでの10年間」

奥谷啓介 著

小学館

大学の図書館で偶然見つけて即、借りて一日で読み終えた。世界屈指の高級ホテルであるプラザでマネージャーとして働いた日本人が書いた本。憧れのプラザホテルの裏事情やアメリカ人と日本人のホテルサービスに対する認識の違い、またホテル業界のしくみまでが分かりやすく書かれていて大いに楽しめた。

実はプラザは95年に一度、その98年の歴史に幕を下ろしている。ホテルではなく超高級コンドミニアムとして生まれ変わる、ということだったようだ。そして不覚にも、そのことをごく最近まで私は知らなかった。もちろん、このホテルに宿泊したことはない。憧れてはいたけれど。ホテルの前は幾度となく通っているし、多くの映画でホテル自体が登場している。有名なところでは「ホーム・アローン」や「追憶」。「追憶」の撮影中、バーブラ・ストライサンドは、その当時世界一高いといわれていたプラザのプレジデンシャル・スイートに宿泊していたそうだが、その値段たるや、一泊約180万円だったとか。このスイートルームは2階建てで、どの窓からもセントラルパークが見えたとか・・(ため息が出る)。(そう、このホテルはマンハッタンの最も分かりやすい、そして最高の場所にあるのだ。5番街がセントラルパークと出会う場所。)またプラザはビートルズが初めてアメリカツアーに出たときに宿泊したことでも知られている。ホテルの周囲は黒山のひとだかりになったとか。そして、ジョン・レノンは後に、プラザからセントラルパークを斜めに挟んだ、ここもパークに面しているダコタ・アパートメントに住むことになる。

話が反れたが、この本を読んで、これまでのアメリカに対する自分の考えを改めなくてはならないと思った。日本のサービスは世界一だと自負するところだが、これを自分が旅行する相手国に要求することは間違っていることに気づかされる、そもそも社会背景や国民性、システムが違うのだ。逆に、アメリカの業界のシステム(その合理性)に感心する部分も発見した。そして、何より、アメリカのホテル業界に身を置いて、アメリカと日本の間に立ち、日本の顧客の理不尽な要求に対して、誠心誠意対応してきた著者の姿勢にホテルマンとしてのプロ意識を見た思いだ。我々日本人は海外において、自国の基準や価値観で物事を評価しがちであり、そのことをひどく恥ずかしく感じた。今度アメリカに行くときは、この本を携えて行きたい。

ある記事によれば、プラザホテルは改修を終え、今年の3月に一部が再オープンしたとか。なんだか複雑な心境だ。

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