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2008/09/17

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駅の近くにはよく自転車を預かるのを商売にしている家があって、高校の頃、電車通学していたとき、私も3年間お願いしていたことを思い出す。老齢のご夫婦がやっていた。おじさんは大柄で穏やかな人柄、おばさんはいつも着物を着ていてがらがら声な上にかかあ天下そのものだったような。

朝は大抵、私が電車に乗り遅れそうなほどギリギリにその預り所に滑り込むものだから、入り口の所でおじさんに自転車を投げ渡すような感じだった。おじさんはとても要領よく自転車を受け止め、「いってらっしゃい」と送り出してくれるのだった。

その預り所は、木造で地べたは土間のようになっていた。記憶は曖昧だが自転車80台ほどが常に納まってたのではないかと思う。そして一日が終わり地元の駅に帰ってきて自転車を取りに行くと、奥の座敷でテレビを見たり夕食をとっているお二人のどちらかが必ず出てきて「おかえんなさい」と言いながら、私の自転車がどんなに奥にあろうと芸術的な手早さでそれを抜き取ってくれたのだった。どの自転車が誰のかもきちんと頭に入っていたみたいだ。帰りが遅くなる部活の日は、駐輪されている自転車もまばらになり、おじさんが、私の帰ってくる時間を見計らって、すぐ乗って帰れるように手前に出しておいてくれた。

その預り所がいまどうなっているのか知らないのだが、確かめには行かないつもりだ。

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