« non title | トップページ | non title »

2009/04/19

MILK

映画「ミルク」を見る。

ガス・ヴァン・サント監督、舞台がサンフランシスコということで食指が動いた。1970年代のアメリカにおける同性愛者の権利獲得のために政治活動に身を投じた実在の人物、ハーヴィー・ミルクを題材にした作品。

久しぶりに“ムーブメント”の意味を考えるきっかけになった。人間社会には様々な差別が生まれては問題視され、戦いが起こり、方向性が見出され、やがて過去のものとなっていく。たとえば、アメリカの黒人差別。キング牧師が活動を始めたころは、まさか黒人が大統領になる時代が来るなんて、夢のまた夢だっただろう。しかし、ここまでの道のりは険しく、そこには“ムーブメント”があったのだ。同性愛に対する理解や権利についても同様だったということを、この映画は教えてくれている。

私は、この問題にはこれまであまり関心がなく、せいぜい“ゲイ・カルチャー”くらいしか見聞きしたことがなく、たとえば、アンディー・ウォーホルとか、エルトン・ジョンとか、そのへんから入ってくる知識くらいだったから、権利とか政治とか、そのレベルにまで問題が高まり、アメリカでは各地で是非を問うための住民投票が行われたりしていたことなど知りもしなかった。

デモ行進の意味も実はあまり知らなかった。この映画のなかに、ミルクが拠点としているサンフランシスコのカストロ通りなどから、大勢のゲイの賛同者が自分たちの考えを主張するために行進する場面が何度か出てくる。そのたびにミルクが最終地点で待ちうけ、「私はみんなを勧誘したい」と言うのだが、これはデモクラシーのひとつのスタイルなのだろうか。行進するということは、こういう意味を生み出す手段のひとつなのだと、この年になって改めて(初めて?)知った次第である。この「勧誘」がないと行進は暴動に形を変える怖さがあり、政治の重要さをよく伝えている作品だと思う。また、何かに対して反対の意を唱えるためには一団となって行進する、ということは素早く意思を伝えることができるのだと思った。ただ、行進にも許可が必要だということもわかったが。

映画のなかでは、実際の写真(当時新聞などに掲載された写真など)も併用して、この一大ムーブメントが本当にあったことを裏付けている。そして、驚いたことに、登場人物までも、実在の人たちの特徴をよくつかみ、容姿をそっくりにしてある。映画の最後に、ミルクを支えた人々のその後を伝えているのだが、そのときにスクリーンに映し出される当時の本人たちの写真が、映画で演じていた俳優たちとそっくりなのだ。なかなか凝っている。それともうひとつ、ミルクの選挙活動のスタッフの一人が、映画「イン・トゥ・ザ・ワイルド」の主人公だったと後から知った。まったく気づかず・・・ この人はいい役者かもしれない。

結局、ミルクは道半ばで凶弾に倒れるのだが、これが本当にあったことだというのだから、これが一番の驚きである。

ミルク オフィシャルサイト http://milk-movie.jp/enter.html

« non title | トップページ | non title »

twitter

  • twitter
無料ブログはココログ