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2009/11/15

喋る馬

先日購入したバーナード・マラマッドの「喋る馬」は、思ったとおり味わいのある短編だった。柴田元幸の翻訳も素晴らしいのだと思うが、短編のひとつを読み終えたあと、すぐに次の一編に入る気分になれないほど、一編一編、余韻が続く感じだ。

その中の「ドイツ難民」が私は好きだ。大恐慌の影響が残るニューヨークで、大学生の主人公が、貧しい難民を相手に英語を教える(個人教授)のだが、そのうちの一人との交流が痛々しく、悲しく、暖かく、切ない。ユダヤ系移民の子としてアメリカに生まれた著者ならではの視点で、ユダヤ人の悲劇の“その後”を表現している。主人公は、このユダヤ難民に対して奉仕の限りを尽くしていて、けれども、それがうまく歯車になっていかないのだが、難民はその奉仕をちゃんと理解している。だから、最後がとても悲しく切ない。

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「喋る馬」

バーナード・マラマッド著 柴田元幸 訳  スイッチ・パブリッシング

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