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2010/07/21

このアメリカ

以前、古本で買ったと思われる、本棚に眠っていた本にいろんな発見があった。

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『このアメリカ』 山崎正和 著 1967年 河出書房

ネットが発達してからは、現在のニューヨークのさまざまな情報が即座に得られるけれど、それ以前の情報は、やはりその時代に出た本が一番の情報。面白い発見があったり、その時代の空気を感じることができるものだ。

この本は60年代のNY。(NY以外の都市も出てくる)

表紙を開けたところにあるモノクロの写真は、当時のニューヨークを(恐らくエンパイヤー・ステイト・ビルから南を)撮影したもので、70年代前半に完成したワールド・トレード・センターの姿はまだない。悲しいことだが、現在もWTCはないのだ。この当時と現在とでは、同じ方角を撮影した場合、シルエットは同じなのかもしれない。とても不思議。この写真が撮られたときと、いま私がこの写真を見ている時間の流れの間にWTCは完成し、崩壊したと思うと。

1965年に発生したニューヨークの歴史的大停電のことがレポートされている。少し文章を紹介したい。

  「おりからの満月に照らされた何十という摩天楼が、

  奇岩巨石のように黒々とそびえているのは壮観であった。」

  「あちこちの地下鉄では乗客が漆黒のなかにとじこめられ、

  パン・アメリカン・ビルの何十階かには、十数名をのせた

  エレベーターがいまだに宙吊りになったままだという。」

  「ジョンソン大統領は東部沿岸の空軍基地に、警戒命令を

  発したという。いや、アメリカの全ミサイルが、すでにロシアに

  むかって発射準備をととのえたそうだ・・・・。」

  「けれどもこうした混乱のなかで、一般のニューヨーク市民がとった態度は、

  これまた予想以上に見上げたものであった。」

  「この夜の犯罪は日ごろの平均をはるかに下廻る低率であったという。」

・・・・・・・

それから、近代美術館にあるホッパーの作品や、フリック・コレクション(本ではフリック・ギャラリーと書かれている)のことなども出てくるのだが、この時代にそれらの場所についてこのように書かれた本をもっともっと見つけたいなぁと思う。

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