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2011/01/17

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「石の原野」(トーベ・ヤンソンコレクション)

トーベ・ヤンソン著  冨原 眞弓訳

筑摩書房

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トーベ・ヤンソンといえはムーミンだが、彼女は小説も書いていて、北欧、ことにフィンランドを知る資料としてとても興味深く読めると思う。ただ、難解な側面もあり、入り込むのに時間がかかるように思う。

「石の原野」は出だしにヘルシンキの目抜き通りであるエスプラナーディ通りが出てきて、その時点で情景が目に浮かぶせいか、なんとか入り込むことができた。

この物語に出てくる主人公の元新聞記者ヨナスは、かなり変わった性格(偏屈!)である。でも歳をとり、これまで自分が周囲に(とくに家族に)振舞ってきた行為がいかに冷たいものだったかを理解し始める。すでに妻は亡くなっているが、二人の娘たちとの夏の小屋での滞在のなかで気づき始めるのである。

ヨナスが少し自分に似ているな、と思ったりする。私も自分を棚に上げて、人に対して厳しかったりするところがあるから。だからこの物語を読んで大いに反省するのであった。

何かから解き放たれる瞬間をとても上手に表現している一編だと思う。

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