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2011/03/01

善き人のためのソナタ

Yokihitosonata

ドイツ映画「善き人のためのソナタ」を見る。

壁崩壊5年前の東ベルリンが舞台。活動家たちは24時間監視され、盗聴され、一般市民も怯える日々。驚くことは、戦前とかじゃなくて、自分が生きている同時代にこのような体制があった事実だ。無知な私は、冷戦時代の東の体制がこんなにも抑圧されたものだとは的確に認識しておらず、民主主義や社会主義を認識するようになった中学、高校時代の私は、社会主義国の人々は平等配分のもと、その体制下で私たち民主主義国と「幸せ度」は同じに暮らしているのだと思っていた。主義が違うだけで人間の尊厳や自由は保障されているものだと信じていた。だって、教科書からはそんなふうに読み取れたし、それこそ今の北朝鮮のようにベールに包まれていたから。

しかし、その実態がこのように映画や書籍などで明らかにされると、いかに自分は無知だったかを知る。

この映画、見ごたえがある。

そして壁崩壊後、東西の人々はさまざまな思いを抱いただろう。

崩壊以前を懐古する人もいた(いる)と聞く。芸術家や作家など精神活動をしていた人も、いざ自由を手にしたとき、不自由だったときに維持されていた思想が開放され、表現ができなくなった人もいただろう。(この映画の劇作家がしばらくはそうだったように)

何かが崩れるときは徐々に来るのか、一気にくるのか。そのときその場に居合わせた人は不幸でありながらも、もし生き抜くことができたならその体験の深さは計り知れないほど深く貴重なものとなりうる。

この映画は最後の最後、感動的な場面で幕を閉じる。それまで硬直していた体が突然ほぐれて、涙が滲み出てきた。キャストも全て素晴らしかった。

興味深いのはもうひとつ。あの時代の東側のデザイン。家具や車など、見入ってしまう。いまあんなのがあれば絶対に選ぶと思う。

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