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2012/06/03

Midnight in Paris

ウディ・アレンの新作「ミッドナイト・イン・パリ」を見る。

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ミッドナイト・イン・パリ ストーリー

ウディ・アレンのスタイルが心地よい。

冒頭、ただひたすらパリの街並みのカットを流すところなど。それはどれを見てもパリとわかるものばかりだが、わたしたち観客はみんなそのカットを見たいはずで、それらは静かに映し出されていた。

そして、いつものちょっと風変わりな主人公が、迷いのある人生においてヒントを得て、エンディングでは新たな一歩を踏み出そうという気になる、そういうスタイル。

20世紀初頭の文学や芸術に多少なりとも関心のある人ならば、きっと楽しめる作品だ。

当時の作家や芸術家たちが顔を出すが、なかでもヘミングウェイがかっこいい。「真実の愛を知った者は、死をも恐れない」的なことを言うのだが、あの風貌で言うと、納得してしまいそう。彼の作品は「老人と海」くらいしか読んだことなかったが、ほかも読んでみようと真剣に思った。

わたしたちが素敵だと思いを馳せる時代も、その時代に生きた人には物足りなさを感じたり、もっと前の時代に憧れたりしたのかもしれない。だから、結局いまをどう生きるか、なのだということ。結局のところ、先人が残したものやその生き方を、現代で学び想像することがすべてなのかもしれない。あの時代だったからあれらの作品が生まれた。この時代はこの時代にしか生み出せない何かで埋まっていく。

主人公のギルが、アンティークレコード店で知り合った女性と、エンディングで偶然出会う。ここで、映画の途中ではほんの端役だったその女性がにわかに意味を帯びてくる。とびきり美人ではない女性だが、ギルと心が通じあう。アレンの映画ではよく使われる手法だと思うが、こういうのがとても好き。別れのあとには出会いあり。また新しい明日がくる。そう思わせるから。

とにかく面白い。

映画のなかでいろんな作家、芸術家に出会える。

フィッツ・ジェラルド、T.S.エリオット、ゴーギャン、マティス、マン・レイ・・・

ピカソのことをやっぱり好きになれなかったし、ムーランルージュでロートレックに会えたことはすごく嬉しかったり。あと、エイドリアン・ブロディがダリを演じていて、すごく似ていたのも最高。

パリの街の魅力。

特に夜のパリの街並みは、見た目、1920年代もいまもそう変わらないところが素敵だ。建物が次々に建て替えられる東京ではこんな映画は作れないだろう。

ウディ・アレンには、ニューヨークの映画もまた手がけてほしい。

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