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2012/08/12

THE BROOKLYN FOLLIES

Brooklynf   

『ブルックリン・フォリーズ』
ポール・オースター 著  柴田元幸 訳

順風満帆な人生を継続することはとても難しい。仕事、結婚生活、健康の維持・・・ 思いどおりにいかない人生はなんと多いことか。
それでも人は生きていかなければならない。
この本は、挫折や問題をかかえた人々が、身近な人物とのかかわり合いのなかで、徐々に好転していく物語だ。とりわけ、物語の語り手であるネイサン(癌の再発が心配な初老男性)が周囲の人々を、彼の人生経験から成せるかかわりかたで導いていく。(ネイサンは結婚に失敗し、娘との関係も悩みの種という人物だが、死を覚悟して終の棲家をブルックリンにするため引っ越してきてからかかわる人々から、信頼を寄せられる)

ネイサンの言動を読むにつれ、わたしも、もうそろそろ、誰かの役にたつようなはたらきをしてもいいような年齢なんだなぁと、ふと考えたりさせられた。決して豊富な経験があるとは言えないけれど、でも、都度冷静に考えて、誰かのためにそのときにとるべき行動をとる、そうであるべき年齢である。

物語はブルックリンから始まり、ブルックリンで終わる。
終盤、ネイサンが倒れ、一命を取りとめて清々しい気分で退院した朝が、2001年9月11日に設定されている。自分と周囲の人々がなんとか良き方向に滑り出したかと思えた朝に、飛行機がワールドトレードセンターに突っ込むのだ。このあとのことは(いまのところ)読者の想いに委ねられている。

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