« 恋する惑星 | トップページ | パリ、テキサス »

2013/04/07

ジョージア・オキーフのこと

ジョージア・オキーフにいつから興味をもつようになったのか、はっきりとは思い出せないのだが、それは確かニューヨークの美術館に通い始めた2002年ころからだったように思う。それまでは、彼女の描く主に植物(カラーやアイリスなど)は、よく絵葉書やカレンダーで見かけていたし、そういう意味で「大衆受けする画家」というとらえ方しかしていなかったように思う。

でも、MOMAやホイットニー美術館、Metでニューメキシコの風景、動物の屍などを描いた作品、それに絵葉書などで見慣れていたはずの植物の作品の実物を見た途端、この画家のことを知りたいと思った。そして、彼女のことを知れば知るほどその魅力に圧倒されてしまうのだった。

ジョージア・オキーフについてはこちら

それに、有名な写真家であるアルフレッド・スティーグリッツが夫であったということも衝撃的だった。そしてスティーグリッツが撮ったオキーフの若かりしころの写真も、オキーフを好きになる要素になったと思う。

Dsc_0533

↑オキーフに関する本(美術館で買ったりいただいたりしたもの)

オキーフの画集をたまに開いてはぼんやりそれらを眺めている。人生の後半に移住して描いたニューメキシコの山々や動物の屍をモチーフにした作品にはもちろんすごく惹かれるのだが、画集『The New York Years』に載っているニューヨーク時代に描かれた作品もわたしはとても好きだ。

画集をみていて思うことがある。それは“一貫している”ということだ。わたしは絵画について専門的な知識はまったくないので正しいかどうかはわからないが、画家によっては画風がいくつかの時代に分けられていて、試行錯誤の変遷がみられるケースもあると思うが、オキーフにいたってはそういうものをほとんど感じない。対象物をしっかり見据えて描いているところ、シンプルなところ、強さを感じるところ、色彩の完璧さなど、どの角度からみてもどの時期からみても一貫していると思う。

オキーフには、精神的なものを他の画家のそれ以上に感じる人って多いのではないだろうか。写真集『オキーフの家』を見ると、ニューメキシコへ移住後の彼女の暮らしぶりを知ることができる。(モノクロの写真が79点も収録されている) オキーフは生前、写真集の依頼をことごとく断ってきたそうだが、92歳のときに写真家マイロン・ウッドにアビキューとゴーストランチの家の写真撮影を許可し、この本が出版されたようだ。写真で紹介されているオキーフの家はファンの期待をまったく裏切らないものだ。質素できちんとしていて、機能的で美しい。

Resize0322

Resize0324

この本は作家の江國香織が翻訳している。ちょうど出版されたころだったと思うが、テレビ番組で江國香織がニューメキシコのオキーフの家を訪れるという企画があった。おそらくこの本の出版がらみの取材だったのだと思うが。そのなかで印象的だったのは、オキーフのアトリエに残されている膨大な数の色サンプルだった。自作のもので、同じ色でもすごくたくさんのバリエーションがサンプル化されていた。もう、それ自体が美しくて・・・。

なぜ、オキーフは大都会ニューヨークに居ながら(そこで成功をおさめていたにもかかわらず)、渇いた大地ニューメキシコに魅了され移住にまで至ったのだろう。画集や写真集からだけではわからない何かを実際に行って感じてみたい。

ニューメキシコのサンタフェにジョージア・オキーフ美術館がある。ここは、ずいぶん前からいつか行ってみたい美術館。行きたいなぁ、本当に。

« 恋する惑星 | トップページ | パリ、テキサス »

twitter

  • twitter
無料ブログはココログ