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2013/04/15

パリ、テキサス

Paris_texas_2 

気になっていた映画『パリ、テキサス』を借りてきて見た。

この映画が日本で公開されたのは1985年。あまりにもタイトルが印象的なのでずっと頭の片隅にはあったものの、見たような見ていないような・・・だった。
今年に入って行きつけのTSUTAYAでお奨め映画コーナーにずっと紹介されていたのと、アメリカ西部を車で旅行されている方の原点となる映画だと聞いたので、それは大いに見るきっかけになったと思う。

この映画の感想をここであれこれと書くことは、無意味なように思う。
ただ見るべし、である。というか、わたしなどが感想を書くと陳腐なことしか書けないような気がする。

ただ、すごいなぁと思うのは、この映画には異性愛、兄弟愛、親子愛が見事に表現されていて、たぶんこれがニューヨークとか東の大都会が舞台ではダメで、何もないテキサス州の荒涼とした大地からスタートさせているから余計に効果が出ているように思った。

アメリカという国の広さ・・・この広さが物悲しい。そして、あまりにも広いがゆえに不変的なものに写る。こういう場所で撮られた作品って、時間が経っても色褪せることがないのかもしれない。それに、あまりドラマチックに描かれていないところも良い。

すごく驚いたのが、監督が『ベルリン天使の詩』のヴィム・ヴェンダースだということだ。(ベルリン天使の詩のほうが後に撮られた作品。この映画もなかなか良いのです) アメリカ人ではない監督がアメリカを舞台に撮影した作品だからか、不思議にわたしたち外国人が見ると、あぁ、アメリカだなぁ・・と思うのかも。うまく言えないのだが。
それだけでも絶望感漂う砂漠地帯で主人公トラヴィスが冒頭、果てしなく彷徨い続けているシーンは、やはり一番印象的で、あまりにも途方もないことだけに、後になってからも思い出しただけで悲しくなってしまう。でも、それは彼にとって通過するべき地点だったと思うと妙に納得できる気もする。

最大の見所は、トラヴィスがかつての妻と覗き部屋の電話で話すシーンだと思うが、個人的に特にいいなぁと思ったのは、トラヴィスの弟の、兄(トラヴィス)に対する態度だ。はるばるカリフォルニアからテキサスまで兄を迎えに来てあげたり、トラヴィスが置き去りにした息子を我が子のごとく4年もの間大切に育ててきたのに、トラヴィスが戻ってからは、本当の父親はトラヴィスであることを第一に考えるところなど。本当だったら「冗談じゃない」と怒るところだが、人としてどうあるべきかを考えて行動している。

『パリ、テキサス』についてはこちら

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