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2015/03/27

波の音が消えるまで

「波の音が消えるまで 上・下」 沢木耕太郎 著

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沢木耕太郎の新刊ということで興味は大いにあったのだが、博打の話というところが若干迷ったところだった。でも、舞台がマカオで主人公がサーファーでカメラマン(だった)ということが、やっぱり読もうと思わせた要素。このあたりの設定が上手いと思わざるを得ない。

この小説の主人公はバリ島から日本に帰国する際にたまたま香港に立ち寄り、さらにマカオを訪れる。香港に降り立った日はまさに中国に返還される前日のこと。そしてマカオでバカラにハマってしまう。

バカラに魅せられ格闘する主人公の様子を表現して、読む側をぐいぐい引き込む小説だが、わたしは主人公と、彼がマカオで知り合う何人かの人たちとの人間模様を描いている部分のほうがよかった。もちろん、バカラの場面と人間模様がうまく絡み合って個性を感じる作品なのだろうけれども。

主人公はハワイのビッグウェーブに挑戦するほどの本格的なサーファー。サーフィンをする場面の描写は、サーフィンをしている人を納得させると思えるほど正しく書かれていると思う。それから、カメラマンとしての主人公像がこの人物の魅力を高めている。

マカオで命を落としかけたときの主人公の冷静さというか、自分を客観視できるところなど、どうすると人はこんなふうになれるのかと考えさせられた。

後悔しない生き方。

この小説を読んで、そんなことを思う。

マカオのリスボアをいつか見てみたい。

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