2015/05/15

旅 香港

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PCでご覧いただいている場合、写真をクリックすると拡大されます。

5月初旬に久しぶりに香港を訪れました。

アメリカやヨーロッパに断然興味があるのだけれど、アジアのなかでなぜか香港だけは特別。混沌としているけれどイギリス文化の影響からか秩序があって、洗練されているところが好きなのだろうと思う。

ツイッターやインスタグラムで現地から、また帰ってきてからも断片的に感じたことや訪れた場所について書いているので、ここでは少しだけ跡を残しておこうと思う。

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これまで宿泊したのは、大半が九龍側だったのだけれど、インターネットでホテルを探していて、香港島にあるアパートメントタイプのホテルで素敵なところを見つけてしまい、今回はコーズウェイベイに滞在した。上の写真がホテルの外観。1~3階はレトロな外観になっているが、宿泊階は近代的なデザイン。

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↑ホテルの前の通り

学校が隣接しているため、落ち着いた雰囲気があった。

コーズウエイベイは香港屈指の商業エリアなので、駅周辺はチープな屋台通りから高級ブランド店までが軒を連ねているが、ホテルのある場所はそこから1本外れているため、閑静な雰囲気を漂わせている。近くには香港中央図書館やスポーツ施設もあり、落ち着いたエリアだと思った。

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↑部屋からの眺め

チェックインのときにアップグレードしておきますね、と言われてたどり着いた部屋は8階のクイーンサイズベッドの部屋で、窓からの眺めは上の写真のとおり。この建物は一方向だけ景色が開けているのだが、眼下にはトラムが走っているのが見え、正面にはヴィクトリア・パークが全部ではないけれど見える開放的な部屋だった。8階というのもよかったと思う。あまり高層階だと人の往来が見えないから。

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部屋にはゆったりしたソファや机、それにミニキッチンもついていて、買ってきた果物を冷蔵庫で冷やしておいたり、お皿やナイフ、電子レンジやトースターなど暮らすに事足りるくらいのキッチン用品が揃っていた。実際に使ったのはやかんとマグカップ、それに果物ナイフくらいだったけれど。ミネラルウォーターやスナック類が無料で備えられていたのもうれしかった。やかんにミネラルウォーターを入れてIHコンロで沸かして、朝と夜にコーヒーを飲めてよかった。

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↑1階ロビー

レセプションは2階、1階はドアマンが基本1人いるだけで、仰々しさがないところが気に入ってしまった。宿泊客は欧米人が多いのではないかと思う。エレベーターに乗り合わせた人たちから推測すると。

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上の2枚はヴィクトリア・パーク。

実は以前この近くのホテルに宿泊したことがあったのだが、せっかく公園があるのに散歩もしなくて、今回はちゃんと朝、来てみた。太極拳やジョギング、ウォーキングで健康を維持する人で公園内はだいぶ賑わっていた。公園はほかに九龍公園にも行ってみたけれど、それぞれに趣が違う感じがした。

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コーズウエイベイに隣接したところに大坑(タイハン)という低層の建物が固まっているエリアがあるのだが、そこを昼間と夜の2回歩いてみた。上の写真のように超高層マンションに囲まれるように6階前後のアパートが立ち並んでいる。1階はレストランやバー、アイスクリーム店などの店舗として利用されていて、夜行ったときにアイスクリームとお粥を食べてみた。アイスクリームのほうはいま話題になっている有名店のようで申し分ない美味しさ。そしてお粥のほうはというと...これも美味しかったのです。古くてあまり綺麗とは言えない(と言っては失礼だけど)、本当にそのようなお店で衛生面は大丈夫なのだろうかと思うけれど、地元の子どもやおとな、タクシーの運転手がひっきりなしにやってきて、お店で食べたりテイクアウトしたり。店先でおとうさんが蒸し器のようなものに布を敷いて、恐らくお米の粉を溶かしたようなものを流し込み、具材(たぶん牛肉あたり?)を置いて、固まったらくるくると巻いて出来上がりの何かを作っているのをお粥をすすりながら見られたりと、いつかの時代のどこかの街にタイムスリップしたような感覚になっていた。外は結構雨が降っていて、明日の早朝には空港に向かわなければならないという夜遅い時間に、お粥屋でぼーっと過ごすというのは、独特の体験だと思うし、妙に刻まれた気がする。

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↑これがそのお粥屋さん

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何の味付けもしていないとろとろの白粥と揚げパンのようなもの。

揚げパンをちぎってお粥に浸して食べるのですが、なかなか美味しいのです。さすがにパンは油っぽいので全部は食べられなかったのですが。残ったものを袋に入れて持たせてくれました。

これで確か18HKドルほど。280円くらいかな。

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店内の様子

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壁の時計を見ると夜10時近く。

写真の男性のテーブルに乗っているお皿が、たぶん前述の牛肉か何かの米粉クレープ巻きではないかと思われる。

床や壁のタイルがよくわからないけれど香港っぽいかな。

大坑エリアの話に戻ります。

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自動車の修理工場があったり

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ランチタイムには地元の人たちで食堂も賑わっていて、でもとてものどかな光景。

そして夜は

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こんな雰囲気。

意外と窓灯りは少なく、空き部屋が多いのかもしれないと思った。

もしかしたら、何年か後には開発が進んで、このあたりも高層マンションに建て替わってしまうのかもしれない。

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この他に印象に残ったのは次のことがらです。

★ 奈良美智 個展「無常人生」・・・金鐘のアジア・ソサイエティで開催していました。

★ 重慶大廈(チョンキンマンション)・・・いまさらながら。

★やっぱり、スターフェリー・・・以前、スターフェリーについて書いています → Star Ferry

ところで、以前のブログにフェリーには自動的に2階のデッキに行くような仕組みになっていると書いているが、今回、ぼーっとしながら乗ったら、1階デッキへ乗船していた。どちらか選べるみたいで、料金も少し1階のほうが安い。ただ、たかが10分程度の船旅でも、下はかなり揺れて酔ってしまったので、2階席をおすすめします。まあ、一度は船底もいいですけれど。水面が近くてそれはそれで悪くないです。

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↑スターフェリーの1階デッキから撮った写真。

 揺れているし酔ってるで、ブレブレです(笑)

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かなり間をあけて久しぶりの香港だったのだけど、急速な中国化は感じられなかったし、トラブルに見舞われることもなく過ごせたので、とてもよい印象で帰国しました。自分の旅のスタイルに合う都市だなぁと改めて実感しました。スタイルというのは、ガチガチに予定を決めないであまりガイドブックに頼らず、行き当たりばったりの、でも耳を澄ませてその場に浸るというような。そんな感じです。

香港中央図書館に併設されたカフェで絵葉書を書いていたら、前の席に5~6歳の男の子とおそらく彼の祖母が来て、男の子がしきりにわたしを気にしていたので、少し相手をしました。相手といってもジェスチャーで。まず、彼が付けていた腕時計が妙に目についたので(だってショッキングピンクだったから)、時計を指す仕草のあと、親指を立てて褒めたら、彼は大喜びです。そのあと、わたしが何を書いているのか気になったようだったので、香港の写真の絵葉書だということを教えてあげたり。最後に紙に「日本」と書いて見せたら、小声で広東語でか何語でかわかりませんが発音して「やっぱりね」という表情をしていたのを思い出します。所詮わたしが旅先で交流する相手はこんな小さな子どもだったりするわけですが、きっとこれからもずっと、あのカフェを思い出すときあの子のことを思い出すのだと思うのです。そしてもしかしたら、あの子もおとなになって、そういえばあのカフェで日本人と交流(?)したっけ...という具合になるかもしれません。

そんなスタイルの旅をこれからも続けていけたらいいなと思っています。

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↑香港中央図書館のカフェから見えた景色

あの子はあれらの高層マンションのどこかの部屋に住んでいるのかな。

2013/11/25

香港回想

11月もあと1週間で終わる。この時期は映画を見たり本を読んだり、1年のなかでもゆったり過ごせる時期のように思う。これから寒くなるという季節が好きだ。子どものころは夏が大好きだったけれども、大人になってからは夏に弱くなったなと思う。

先週は香港が舞台の映画を見てしまったものだから、ここのところまた香港熱にうなされている。初めて行ったときのことなど思い起こしている。そういえば、香港やソウルには何度も行っているのに、あまりブログには書いてこなかったなぁ・・

それで、ほんの少しだけここに書いてみようと思う。香港のことを。

わたしが初めて香港に行ったのは2002年の10月。旅の目的は友人に会うためで、そんな目的でもなければ目を向けなかったであろう都市。いま思えば、それは必然であったと思いたいほどに魅せられてしまうのだが。

もちろんお決まりの観光スポットにも行ったけれど、観光客はあまり行かないようなところにも行ったり、連れて行ってもらったりした。たとえば尖沙咀の古びたビルの2階にある小さな小さな書店とか、九龍塘地区にあるフラワーマーケットとか、中心地から離れたリゾート地など。それらは断片的にだが鮮明に記憶されている。友人が用を済ませている間にひとりでぶらぶらと街歩きした時間もたくさんあった。そんな時間はスターフェリーに乗って九龍と香港島を往復してみたり(スターフェリーについてはこちらにも書いている)、ヒルサイド・エスカレーターに行ってみたり(このときは、あろうことか『恋する惑星』について知らなかった)、地元の人が大勢買い物しているストリートに迷い込んだりしていた。

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↑わかりにくい写真(しかもピンボケ)だが、右手前にスターフェリー

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↑地元の人々でにぎわうストリート(確か香港島)

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↑フラワーマーケット(本当に限りないほど花屋が軒を連ねている)

初めての香港は10月だったと書いたが、日本ではさすがに10月ともなると涼しくなりジャケットが必要になってくる時期だが、香港では空港から出たとたんモワッと湿気のある空気がまとわりついてきて、あぁ、これが亜熱帯香港の気候なんだと実感したものだ。夜はいくぶん肌寒い日もあったが、日中は半袖で過ごせた。

香港の気候のことでひとつ。12月に行ったときのこと。12月の香港の最高気温の平均は20℃くらい。最低は15℃くらいのようで、わたしは軽くカーディガンを着る程度の服装で行った。12月というのに歩いているとちょっと暑いと思うときもあった。街を歩く現地の人を見てみると、半そでTシャツの人もいれば、なんと冬物のウールのコートを着ている人もいて、とても不思議に思って友人に聞いてみると、香港のお洒落な人はほんの短い冬をファッションで楽しむのだとか。だからお洒落な人ほど不必要なコートなど身にまとっていると教えてくれた。確かに若い女性たちほど冬の装いだと納得したものだ。

あちこちに書いているように、もし時計を逆戻りさせられるなら、返還前の香港に行ってみたい。でも叶わないだけに余計にその思いはつのるのだ。返還が1997年だから、それから5年後にわたしは訪れたことになる。返還の前後で香港の暮らしがどう変わったのかなど知ることのできる文献があったらぜひ読みたいと思う。

これは個人的な印象だけれど、香港はアジアの他の大都市に比べ、雑多な雰囲気がある割には秩序があると思う。市民には一定のレベルの教養と常識があるのだろうと感じさせられる。(本当にあくまでも私見であり、実は問題もたくさんあるのかもしれないが・・)だからストレスもあまり感じなかったのではないかな。(たとえば上海ではKFCに入って注文しようにも順番というものが一切なく、われ先にの精神に圧倒されたし、小龍包の有名なお店に並んでいると、横入りされて唖然としたりも。また空港からのタクシー運転手はタバコをずっと吸っていて気持ち悪くなってしまった。ソウルではタクシーの運転手が短気な人が多くてヒヤヒヤしたり。)でも香港ではそんなことがなかった。(たまたまかな?)たまたまでもいいのだ。それがわたしの香港が好きな理由のひとつであることには違いないのだから。

しばらく行っていない間にどんどん変化しているのだろうか。香港。

そんなことを確かめるためにも、また行きたい。

(今日はここまで)

2008/01/26

Langham Place Hotel

ホテルの紹介。

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おととしの初冬に香港に行った際、宿泊したホテル、ランガム・プレイス・ホテル。急に思い出して書いている。場所は九龍側、旺角(Mongkok)、新しいホテルだった。周囲は(歩いてみて分かったことだが)住まいの内装のための様々な部品や製品(たとえば、蛇口や壁紙、ドアノブなど)の専門店が道に面して軒を並べている。(すごくたくさん!) このエリアは近年、猛スピードで開発を進めているようで、古さと新しさが入り混じったような印象を受けた。ホテルの部屋から窓の外を見ると、あとは取り壊されるのを待つばかりの古い建物が新しいビルの谷間に肩を寄せ合っていたりした。

さて、前置きが長くなったが、このホテルの魅力は(私にとっては)、屋上の屋外プールである。宿泊客はスパも含めて無料で利用できる。ふわふわのバスタオルなんかもふんだんに用意されている、2泊の滞在中に2回ほど利用した私だが、12月ということもあり、プール利用者はほとんどなく、広いプールを独り占め、といった感じだった。時折、監視係が異常がないかを見回ってくるのと、せいぜい、他にもう一人が泳いでいるくらい。水着は持っていったのに、ゴーグルを忘れたため、顔を出して平泳ぎか、ひたすら背泳ぎに徹した。プールを出たとき、ちょっとダルいと思うくらい長距離泳ぐのが好き。

12月の冬空(といっても香港の冬は暖かい)の下、とても高い場所にある水に浮かびながら泳いでいると、ほんとうに日々の煩わしいことから解放された気分になる。

夜も泳いだ。さすがに少し寒かったけれど。泳いだあとスパでさらにリラックスして部屋に戻り、そのままベッドにもぐり込む。

P_pool2 屋上プール(プールサイドからは特に北のほうが一望できる)

そして、あっという間に休暇が終わり、ホテルもプールも過去の出来事に変わる。

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おまけ

香港の、やはり九龍のシャングリラホテルになだ万が入っていて、ちょっと高いけれど、そこでお寿司を食べるといい。そしてカウンター席に座って、橋本シェフ(料理長?)と会話するといいと思う。香港店勤務は長いそうだ。シェフとお話をしながらの食事はいい思い出になる。「いま、ジャッキー・チェンの息子が来てますよ」などと、こっそり教えてくれる。もっとも、覗きに行くことはできないけれど。

2007/02/27

Star Ferry

以前開いていたホームページに掲載していたエッセイでお気に入りのものを、若干修正してみました。

香港島と中国本土に続く九龍半島を結んでいるスターフェリー。航路はいくつかあるが、一番親しまれているのが尖沙咀と中環をわずか10分ほどで運行しているものだ。公式サイトによると1888年12月の地元紙にフェリーサービスの記事が見られるということである。
香港のなかで何が一番?と聞かれたら、迷わず「スターフェリー」と答える私である。この愛嬌のある名前のフェリーは、観光名物であると同時に、地元の人々の生活の足にもなっている。今は、海底を走る数本(2本?)のトンネルと、地下鉄を利用することもできるが、時間に余裕があるときはフェリーで渡ることをお奨めする。出航間隔は多分、10分おきくらいだろうか、あまり待たされるという感じはしない。そして何といってもその料金の安さには驚かされる。HK$2.2(約40円)。香港の物価は日本とあまり変わらない印象なので、それを考えるとその安さがわかる。
ところで、公式サイトのフェリーの写真を見ると、実際に乗ったときは気にとめなかったのだが、その船は2層(2階建て)になっている。でも、記憶では乗り込み口は一ヶ所しかなく、中で階段を利用できるようになっていなかったような気がする。どうも乗り込み口は自動的に2階の部分に連結されている様子。
窓があるのだが、開け放たれていて、潮風が感じられる。座席は硬い木でできた長いベンチで、背もたれを動かすことで、前後を変えられるように工夫されている。
いまこれを書いていてふと思ったのだが、なぜ香港島と九龍を繋ぐ橋が存在しないのだろう。その距離は橋を架けるには容易いものであるにもかかわらず。地図を広げてみたけど、やはり橋は存在しない。でも、ビクトリア・ハーバーには近代的な橋は似合わないとも思う。九龍側と香港島側が呼応しているあの独特の雰囲気が橋をもって壊れてしまう恐れがある。橋がないおかげでスターフェリーの存在感も保たれていると思えるし、ずっとそうであってほしい。
街は人で溢れかえり、つい早足になってしまう香港という都市で、唯一フェリーに乗っている時間だけは、時間がゆっくり流れ、人々をかつての優雅な時代の香港へと引き戻してくれるのではないか。と、そんな時代を見てきたわけでもないのに勝手に想像してしまう。フェリーの乗客はみんな幾分楽しそうに見えるし、窓の外を眺めている。地下鉄で見られるような光景(本を読んだり、新聞を読んだり、携帯でおしゃべり)はあまりない。
Star 香港に行ったら、スターフェリーに是非!
そこには古き良き英国統治時代のロマンティックな香港があります。

願いがいくつか叶うなら、中国返還前の香港に行ってみたい。もちろん空港はカイタック空港。高層ビルの夜景を眺めながらのランディング。

2005/10/02

pot

その朝私は、ホテルから空港に向かうリムジンバスに乗っていた。12月だったか3月だったか、多分12月だったと思う。その日の香港はどんより曇っていて、今にも雨が降り出しそうな肌寒い日だったことを覚えている。旅の終わりに決まってやってくる充実感のあとの軽い悲壮感に拍車をかけるような天気。でも、晴天よりマシかもしれない。この感覚は旅の始まりですでに予感しているから、いつもうまくやり過ごすことはできるけれど、いっそうのこと冷たい雨でも降ってくれたほうが旅への諦めがつくというものだ。

バスは空港に着くまでにいくつかの停留所に停まるようだ。山の斜面に切立つ香港特有の高層アパートメント群をぼーっと眺めながら、これからやらなければならない空港でのいくつかの煩わしい手続きのことを考えていた。

バスが停留所のひとつとなっているらしいアパートメント群に停まったとき、白人やら黒人のお揃いの紺色のスーツ(制服)姿の男女が10人ほど乗り込んできた。一様に小ぶりのサムソナイトのキャリングケースを携えていて、彼らが空港関係者だと分かる。香港はある航空会社の拠点となっている都市だから、恐らくそこのパイロットやフライトアテンダントだろう。きっとあのアパートメントの一部は、航空会社の宿泊施設として借り上げられているに違いない。空港に程近い、香港の中心地からは離れた寂しい場所である。バスに乗り込むと、慣れた感じでキャリングケースを空いている座席に積み上げていた。席に座ると、携帯で電話する人、隣の席の人とおしゃべりする人、黙って窓の外を見ている人と様々だ。

この人たちも今日、どこかの国に向けて発つのかな。でも彼らにとってはこれは日常なのだ。

誰にでも日常があり、非日常がある。(変化のない、時間にも追われないでいる国の人々は別として。)私は自分の置かれたそのときの状況を、たまたまそこに居合わせた人のそれが逆であるとき、とてもドキドキする。特に自分の非日常と他人の日常が交差するときに。

乗り込んできた空港関係者のなかで、黒人の女性がステンレスの小ぶりのポットを膝の上に置いて座席に座っていた。持ち歩くようなタイプのポットではなく、日本の急須のような形のものだったから、とても不思議な感じがした。通路を挟んで隣の座席で。なぜかその光景が今でも脳裏に焼きついている。私はそのポットを見つめ想像を巡らせた。中身はコーヒーなのか紅茶なのか。彼女はいつも暖かい飲み物をあんなふうにして職場に着いたら飲もうと用意していくのだろうか。それとも今朝はバスまでの時間に余裕がなくてアパートで飲めずに持ってきたのだろうか。これから長いフライトが待っているであろう。なのにポットにお茶を用意して、しかも急須のようなポットをバッグにも入れずむき出しで持っているその人のチャーミングさが、なぜかあの朝の記憶として私の深いところに刻まれている。

制服の一団は、空港に隣接する航空会社のビルのところで一斉に降りていった。

2005/08/19

香港日記(つづき)

旅先で書き留めておいたメモをちょっと紹介します。

(某年某月某日) 曇り時々晴れ  ~冬のある一日~

つづき

ショッピングエリアと思われる通りに出た。
そろそろ歩き疲れてきたけれど、まずは最初に目についたチャイニーズクラフトショップに入る。建物自体が新しく、清潔感のあるお店。お土産にリネンのクロスなどを購入した。

今回は、できれば自分のためにシンプルなゴールドのネックレスを見つけたいと思っていて、通りの両側に見当たったいくつかのジュエリーショップに入ってみた。そして値段も手頃で、イメージしていたものを見つけることができて、ショーケースから出してもらう。
対応に当たってくれたのは、ミスター・ラウ。この、ラウという名前はとても香港らしいなぁと思う。ラウさんは私に伝票を見せながら親切にも、どうしてそのネックレスがその値段になるのかを説明してくれていたようだった。100パーセントは理解できなかったけれど、思えば、ラウさんは値段の根拠なんか言わなくても済んだのに、外国人旅行者だからといって軽く見ないで、ちゃんと説明してくれたことが嬉しく、いい店で買ったネックレスに更に価値が出たような感じだ。

その後、もう夕刻になったので、九龍に戻るべくフェリーのピアに向かって歩いた。
そろそろ足が痛くなってくるが、タクシーを拾う距離でもないように思われ、ひらすら歩く。
ピアの近くで現在、香港で一番高いとされているビル(Two International Finance Center)のところを通過した。

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九龍側のプロムナードから撮影(symphony of lightsで光を放つ2IFC2ifc2

(写真をクリックすると大きな画像になります)

Two International Finance Center(←詳細)

symphony of lights とは、名前のとおり音楽と光のショーであるが、涼しい風に当たろうと(冬だというのに、歩いていると汗ばむときもある)プロムナードを歩いていたら、偶然始まってビックリ。香港島のビルが音に合わせて点滅したり発光したり、約20分くらいだっただろうか、観光客を楽しませていた。

2005/08/16

香港日記

旅先で書き留めておいたメモをちょっと紹介します。

(某年某月某日) 曇り時々晴れ  ~冬のある一日~

午前中はすっかり寝て過ごし、ランチに出る。
尖沙咀(Tsim Sha Tsui)のハーバーシティ向かいのビルの中に順番待ちの人たちで入り口が塞がっているレストランを見つけ、そこでランチをとることに決める。
モダンな飲茶レストラン。

番号札を受け取り、待つこと20分。ものすごくお腹が空いていたので、勢いよく食べ始めた。注文して出されたものはどれもとても美味しくて、それでもたのみすぎて残してしまったものを持ち帰るために、パックをもらって詰めてレストランを後にした。

その後、スターフェリーに乗って香港島へ。
タクシーでヒルサイドエスカレーターまで行く。
ここは観光名所のひとつとなっている場所で、香港島の急な斜面に建つ高層アパートメントの住人のためにつくられた全長800メートル、世界最長のエスカレーターだそうだが、実際は800メートルずっとつながっているわけではなくて、ところどころで途切れて、小刻みに降りられるようになっている。時間で上りと下りが切り替わるそうだ。そう、一方通行なのである。
エスカレーターを横断する細い道路や平行する通路沿いにはバーやレストラン、雑貨屋など、様々な小さい店が軒を連ねている。でも、何より私が興味を持ったのは、ヒルサイドにぎゅうぎゅうに建つアパートメントの佇まいだ。生活感があっていい。hillside3

この日記は、エスカレーターに乗る目的を果たしたあと、歩いて下る途中のカジュアルレストランで休憩しながら書いている。これから、ゴールドのチェーンネックレスを買いに、もう少し下ったところにあるショッピングエリアに向かう。(つづく)

写真はエスカレーターの様子。写真をクリックすると大きくなります。

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